旅行に行くと一番悩むのがお土産ですよね。
伊東のお土産には昔から干物が定番で人気なのですが「干物店がたくさん並んでいて、どこのお店を選んだらいいのかまったく決め手がわからない!」
「天日干しって書いてあって試食も美味しかったのに家に帰って干物を食べたら味にがっかり」…なんて悲しいですよね!
そんなことにならないように、地元の人も足しげく通う絶品のひものが買えるあじ一と、あじ一の幻の干物をご紹介したいと思います。
偽物に注意!美味しい干物を購入するポイント
まず、本物の美味しい干物を購入するポイントをご説明ししたいと思います。
何でも手作りと機械で作る方法があるように、干物の作り方も2通り、天日干し(お日様にあてて乾かす方法)と機械干し(機械で乾かす方法)があります。
天日干しでお日さまが作った干物は、機械で干して作ったものとは全然違い、焼いた魚の輝きかた、その脂の乗り方と身の柔らかさ、もう驚くばかりです。
天日干しは天気のいい日に太陽にあてて人間の目で乾き具合を確認しながら干して作ったもの、機械干しはその工程を機械に任せて楽に作ったものです。
天日干しはとても美味しいけれど作るのにとても手間がかかってしまうので、機械で作った干からびた干物を作って売っているお店がほとんどなんです。
そんな残念なものを買わず、是非本物のふっくらとした美味しい干物を召し上がっていただきたいので、注意点をお伝えしたいと思います。
- 看板は偽り!実は機械で干している
- 注意!味見して美味しい魚
「天日干し」の看板に偽りあり!
もちろん天日干しのほうが格段に美味しいことは明白なのですが、とても手間がかかります。
お日様のご機嫌をみながら魚の乾き具合を目視で確認し干しあげていくことや、急な天候の変化に慌てて魚をしまったりまた出したり。
その手間のためほとんどが機械干しで、店頭に「天日干し」の看板と、その看板のとなりに魚が干してあっても、本当はお店の裏手などに工場があって魚は機械で干物にしていて、店頭で天日に干しているのは観光客を引き寄せるためだけのものなのです。
残念ですが、たとえ少しの時間であってもお日様に干しているから天日干し、と言ってしまってもかまわないのかもしれません。
味見がおいしかったら要注意!
店頭で焼き魚のいい匂い。味見ができて「美味しいしサービスいいなあ」
これって要注意なんです。
実際に売られている干物と味見の魚と同じもの、とは限らないのです。
私もお店で食べておいしかったからと、お土産用にたくさん購入して、家で食べてみたら???となった経験があります!
テレビ番組で紹介されたレストランの料理が美味しそうに見えたけれど、実際に行ってみたらテレビとは盛りの量などが全然違った、なんていう残念な経験ありませんか?
では天日干しで毎日干物が作られている美味しい干物店をご紹介しますね。
あじ一の天日干しの干物店と幻の干物
では、ちゃんと天日干しで干物を作っているお店ってどうしたら見わけられるでしょうか。
残念ですが、一から天日干しで干物を作っているお店を見極めるのは不可能です。(直接確認できませんものね、怒られそうです)
そこで、地元の人からも大人気、かたくなに昔ながらの製法を続け、毎日お日さまにあてて手をかけて干物を作っている「あじ一」干物店をお伝えしたいと思います。
伊豆に引っ越してきて、地元の友達が「干物ならここ絶対ココ!」とすすめてくれたお店なのですが、どの魚を食べても美味しくてびっくりするほど。
ほぼ毎日買っているので、今では店主のオジサンとはすっかり顔なじみになってしまいました!
そこで、直接店主から仕入れたあじ一情報をここだけでお伝えしちゃいますね。
- あじ一は一から天日干し
- 店主の魂の干物
- 幻の干物とはなに?
- 宣伝しなくても客が途絶えない
天日干しのあじ一(あじいち)の干物
店主のおじさんは年間を通して朝は3時半に起床(朝というより夜ですよね)、冬の寒い日も暗いうちから一枚一枚手作業で開き、板にズラッと並べ、店の目の前の河原でお日様に干して作っています。
その生活を続けること休みなく50年!半世紀です!
一応水曜日が定休日なのですが、店主に休んでいる暇はなく、遠方からの電話注文も途絶えず水曜日に行ってもお店で働いています。
もっと人を雇って楽をすればいいのにと思いますが、干物を作る技術と技は一朝一夕に覚えることは無理でしょう。
いくら温暖な伊豆でも冬の冷たい水を出しながら魚を開くって、辛すぎて人を雇ってもなかなか長く続かないそうです。
また、店主夫妻と娘さんの3人で切り盛りしていますが、魚の仕入れ方がすごいです。
魚が美味しい時期になんと数百万円分もいっきに購入することを年に数回、購入した魚を干物に加工して売る、の地道な作業の繰り返しだそうです。
魚を一枚一枚開いてから、天気のいい日に店の前の河原で干して魚の様子を見ながら取り込む、途中で天気が崩れれば取り込んでまた干す、の繰り返しの毎日です。
店主の人生と魂の干物
天気のいい日にお店に行くと、魚が並べられた板が20枚ほどずらっとお日さまに当てられている様子を見ることができます。
店主は空模様を見ながら一日中出したり入れたり、休まる暇はなく大変です。
機械で乾燥させれば乾き方も一様で、このような出したり入れたりの手間は全くなく簡単でしょう。
しかし、あじ一の店主は開店当時から長年、一切機械は使わず、すべて手作業で天日干しして作っています。!
「機械で干したのは偽物だ!」
「まずいものは売れない!」と言い切ります。
カッコいいです!まったくその通り!!素晴らしいですよね!!
あじ一の幻の干物とは
お馴染みさんだけが知っているあじ一の「まぼろしの干物」を特別にご紹介。
それはシシャモなんです!
「なんだ、珍しくないじゃん」と思いませんか?
ところが、あじ一のシシャモはその辺のシシャモとは「違う魚なんじゃないの?」と思うほど全く違います!
まず、ひと口食べてみるとぷりっぷりで驚かされます。
「シシャモってこんな味だったの!?」
身がはじけんばかりのプリップリ、卵もびっしり入って脂がのっていて味が深く濃いんです。
「今まで食べていたシシャモとは違う魚じゃないの?」と間違いなく驚きます。
あじ一では一番のおすすめは鯵の干物なのですが、知る人ぞ知る隠れ人気なのは子持ちシシャモなんです。
このあじ一のシシャモを一度食べると忘れられず、行くたびに鯵といっしょに買うことに。
しかし!シシャモは近年不漁で仕入れができず、せっかく仕入れてもシシャモを待ちわびたファンが多すぎて、店頭に並ぶやすぐに売り切れに。
本音を言うとシシャモの入荷は少ないので、ライバルが増えるのであんまり広めたくないんです…
シシャモは店頭に並んだらたちまち売り切れてしまう争奪戦なので、「ししゃもいつ頃入りそう?」と毎回必ず聞いていますが、最近はなかなか幸運に巡り合えません。
もしあなたがあじ一で運よくシシャモ見つけても買い占めないでくださいね!
宣伝しなくても客が途絶えない
お店はしょっちゅう取材やイベントの申し込みが入るのですが、めったに受けませんし、団体も断っています。
今日も買いに行ったのですが、偶然NKHのBSが釣り番組の取材で来ていました。
電話で取材を申し込むと断られるので突然来た模様。
店主「お客さんがいっぱいで対応できない。店の外だったらお客さんの邪魔にならないので勝手に撮影してくれ」と言っているのを目撃しました!
NHK「お客さんがあとからあとから忙しいですね」
店主はこれ以上忙しいのは勘弁してほしいとのこと、現状で手一杯、取材だけでなく地元のイベントも断っています。
店の前には東京ナンバーなど県外ナンバーの車が途絶えず、皆さんたくさん購入したり宅配便で送ったりしています。
場所もわかりにくいところにあるのに、わざわざ足を運んでくるのですね。
伊東のあじ一の干物の種類と価格と味
店主はこの道50年以上、仕入れは魚が美味しい時期にしかしないため、ご紹介する種類がないこともあります。
- あじ一で買える干物の種類と価格
- あじ一の干物の味は?
干物の種類と価格
あじ一の干物の価格は仕入れ状況によって変わるので、参考にしてくださいね。
- 鯵の干物:1枚100円から270円(大きさによる)
- えぼ鯛:1枚160円
- サバのみりん干し:1枚130円
- 金目鯛:1枚1,800円
- いか:360円
鯵の干物は鯵の大きさによって価格が分けられていて、「10枚で1000円」「10枚で2700円」と10枚単位で価格が書いてありますが、10枚でなくても1枚から購入できます。
そのほかの種類の干物も1枚数百円からで、保冷箱と保冷材も購入できます。
贈答用に詰め合わせのセットもあるので、予算に合わせて頼んでしまうのもいいですね。
詰め合わせは注文があってから準備するため時間がかかるので、事前に電話で注文しておくと受け取りがスムーズだと思います。
詰め合わせ価格と内容
- 2,000円セット:中あじ5枚、サバみりん干し2枚、えぼ鯛2枚
- 3,000円セット:中あじ6枚、サバみりん干し2枚、えぼ鯛2枚、カレイ1枚
- 4,000円セット:中あじ6枚、サバみりん干し2枚、サバ塩干し2枚、えぼ鯛2枚、金目鯛小1枚
- 5,000円セット:大あじ7枚、サバみりん干し2枚、サバ塩干し2枚、えぼ鯛2枚、金目鯛大1枚
あじ一の鯵の干物の味は?
私の一押しであじ一の最も売れ筋のスター、鯵の干物の味をご紹介します。
鯵の干物は冷蔵ショーケースの中に置かれた素朴な木箱の中に並べられ、値段は大きさによって違います。
魚たちは無造作に並べられていますが、その脂ののったふっくらしていて、スーパーやほかの店のものとはまったく違うことが一目瞭然です。
あじ一の干物は焼いてみると魚の脂が多いため、脂がにじみ出てきて表面が脂で輝きます。
脂ののった魚は焼くと表面にうっすら脂の膜ができてパリッとここが一番好きです!
表面の膜を味わった後、中骨を剥がすと柔らかい身に到達。身は脂がのって柔らかくふんわり、この味は子供の頃食べた懐かしい味がします。(おそらく昔は干物は天日干しだったからと推察)
鯵の身は脂のせいかほんのりとした甘味があり、口の中に入れると幸せを感じます。
鯵皮は生臭くてそれまでは食べたことが無かったのですが、あじ一の鯵の干物の皮は生臭みは全くせず、むしろ香ばしくておいしい!
ハッキリ言いますが、あじ一の鯵の干物は旅館の朝食用の干物とは別格、夕食の立派な一品になります。
大きいものは焼き魚用のお皿からはみ出るほどの大きさで見た目も豪華です。
旅館などで出る脂のない干からびた干物とは全く別の食べ物と思っていただいて結構です。
あじ一ひもの店アクセス方法
あじ一ひもの店の場所はちょっとわかりにくいところにありますので、最もわかりやすい行き方をご説明しますね。
一見すると工場のようで驚きますが、自宅兼工場、工場直売で、店頭の真横が作業場で清潔に保たれている様子が確認できますよ。
あじ一干物店
- 住所:伊東市宇佐美422-15
- 営業時間:9:00-12:00,13:00-18:00
- 定休日:水曜日
- 電話番号:0557-47-3115
- 駐車場:お店の横に2台
車の場合
国道135号線を「亀石通下入り口」の交差点を亀石峠方向へ曲がります。
そして一つ目の信号を右折、小さい橋があるので橋を渡りすぐ川沿いに左折すると50mほどのところにあります。
橋から看板が見えます。
公共交通機関利用の場合
最寄り駅はJR宇佐美駅になります。
駅の改札を海側に出て一つ目の信号を左折、まっすぐ行くと小さい橋があるので橋を渡り川沿いに左折すると50mほどのところに魚がずらっと干してあるのが目印です。
駅から歩くと10分ほどかかると思います。
まとめ:あじ一のひものは絶品の本物の天日干し!運が良ければ幻のひものも買える!
あじ一のように脂ののった魚を正しい製法で干物にすれば、脂がそのままのやわらかくふっくらしたおいしい干物ができるんです。
幻のシシャモが買えたら超ラッキーですよ!
- あじ一の干物は本物の天日干し
- 脂がのった魚を選んで干物にしている
- 幻のシシャモの干物の購入は運しだいで可能!
あじ一ひもの店は今のところ後継者が無く、店主の代限りだそうですので、是非本物の干物を召し上がりたい方はお急ぎください。